新築か?リノベーションか?あなたのライフスタイルに合った選択を。
これまで注文住宅を専門に仕事をしてきて最高に嬉しい瞬間は、その家に住み始めたご家族が「ほんとにこの家を建てて良かった!」と幸せそうに話してくださるときです。その一言を聞きに、お施主さんの家に遊びに行くことが私の何よりの楽しみでもあります。
そんな中、あるご夫婦は新築した住宅ローン返済のため、奥様はパートから正社員に変わられ、共働き推奨派の私は奥様をとても頼もしく・嬉しく思っていました。しかし数年後にお話を伺うと「仕事がフルタイムで、やりたかったガーデニングの時間がない~!子供たちはほったらかし~!」という嘆きを聞き、私にとっては思いがけないギャップがありました。
忙しいながらも家族で楽しく暮らして下さっているものの、パートの時に想い描いていた暮らしは、正社員となって実際に送っている暮らしとは当然ながら違っていて、全力投球した新築時の想定は、新築直後から変化していっていることに気づいたのです。
私が目指した『お客様に喜んでもらえる家づくり』は、こういうものだったのだろうか?
設計士が生み出すことのできる”人の喜び”とは何か?
そんなことをいろいろ考えるようになりました。
新築コストを抑えれば、その後の変化に対応するリノベーションの余力も残していけますが、新築住宅は安心できる品質を担保するため、削るに削れない部分が大半を占めています。いくら最低限で良いといえどもさほど大きく価格を抑える手段はありません。予算を半分にするためには、家の大きさを半分にするしかないのです。
働き方改革やWithコロナなどの現在の風潮からして、ライフスタイルの変化は今後も益々頻度が上がってくると思われます。
変化に対応するためにリノベーションを繰り返していくのであれば、始めからリノベーションでもいい。そうして身近に余っているたくさんの古家の存在に改めて注目すると、これらの既存住宅にはまだまだ利用価値があると気づきました。
新築はもちろん最新の技術と品質で保証も充実、大変オススメなことには変わりありません。しかし、快適な住み心地を、同じ広さで実現するために必要な予算は、リノベーションであれば新築の半分ほどです。そのため、新築ではインテリアのこだわりまで予算がまわらない事もありますが、リノベーションだと予算に余裕があるため、実現しやすいです。
働き方も多様になり、ライフステージによって収入も変動しやすい中で、無理なく家を買うために、既存住宅のリノベーションは「必要な部分から優先的に、予算が許す限り」という選択が可能な、自由度の高い手段です。
私自身、「家を直して住みたい」というご要望は、モノを大切に使う姿勢にしみじみとそのお客様の気持ちに応えたいという想いに駆り立てられます。まだ十分使える「家」という大きな資源を再生利用し部分的に修繕しながら住まうことは、これからのSDGs時代の新たな住宅文化になると確信しています。
今一番リノベーションしたいもの(おまけ)
私にはもう一つリノベーションしたいものがあります。それは愛車のラシーンです。
見た目がカクカクしていて可愛くておしゃれ!ずっと眺めていたいフォルムがお気に入りで4年前に中古で購入しました。
元は赤の車体を全塗装して、シートも張り替えて、見た目はとっても綺麗になってウキウキ!
でもエンジンなどの中身は平成10年当時のままで、安全面はメンテは受けたものの燃費の悪さは悲鳴が出そうなほどです・・・
愛車の悪口を言うのはとても後ろめたい気持ちになるけど中身は本当に入れ替えたい!!
車体の外皮はそのままに、性能面はリーフに入れ替えたい!!
建物のリノベーションは見た目をリニューアルするものというイメージが強いですが、最近は断熱リフォームとかいう言葉もよく耳にするようになりました。
住宅エコポイントなどでは、省エネ住宅の新築だけでなく断熱や省エネリフォームも助成対象で、中古住宅の性能面をリニューアルして使い続けることが国を挙げて積極的に進められています。
それならばっ!!
自動車もガソリン車を廃止して電気自動車にするだけでなく、ガソリンエンジンをハイブリッドとか電気のエンジンに入れ替えた中古車を売ってくれてもよいと思うんです。
デザインが気に入っているという理由だけで、150万の新車の軽ではなく150万の燃費の超悪いガソリン車に乗り続けている私のような人は一定数いると思います。
車屋をしている友人にはこの車を150万で買ったの???!と半ば呆れられつつ、それでもラシーンは手放せない大事な愛車なのです。
長く住み慣れた家を手放せず、耐震性能がゼロに等しく、且つ、無断熱の超寒くて暑い家に住み続ける人の気持ちと、とてもよく似ていると思いませんか??家はリノベーションできるので、その家を壊さずに性能改善ができます。
中古車にもエンジンリノベーション時代がやってきますように、心から願っています!
お気軽にお問い合わせください
受付時間:10:00~17:00
定休日:水曜・日曜